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【エニアグラムの信頼性は占い程度】その理由について解説します。

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前回のビッグファイブに引き続いて、今回はエニアグラムについて解説します。

エニアグラムは9つの性格分類からその人の特性を表すというものである。日本においては非常に人気がある性格診断なので、試して見たことがある日も多いのではないでしょうか。

でも、結論から言うとエニアグラムは科学的ではありません。その理由を詳しく見ていくことにします。

エニアグラムとは

概要

あなたはどのタイプ?9種類の脳診断「エニアグラム」でわかる得意・不得意 |ビジネス+IT

この記事によるとエニアグラムは、

CIAをはじめゼロックス、デュポン、プルデンシャル、エクソンモービルなどの大企業からGAPやザ・ウォルト・ディニー・カンパニーなどまである。IT企業ではヒューレット・パッカード、IBMなども導入している。

日本国内でもソニーや三菱電機ビルシステム、日本ポール、厚生労働省や日本IBMなどでも導入されている。

らしいです。このほかスタンフォード大学でも実施していると言う話もあり、一般的には信頼性があると見られているみたいです。

エニアグラムは9つの性格分類に基づいており、日本エニアグラム学会によると次のように分類しています。

タイプ1 自分なりの基準に則り、正しい間違いのないことをしたい
タイプ2 人の役に立つことで、愛を得たい
タイプ3 成果を出して、賞賛を得たい
タイプ4 自分らしさを表現することで、感動を味わいたい
タイプ5 情報を分析し、物事の本質を見極めたい
タイプ6 責任を果たすことで仲間として認められ、安心したい
タイプ7 いろいろな可能性に挑戦して、人生を楽しみ幸せでいたい
タイプ8 自分の影響力を行使して、存在を感じていたい
タイプ9 他者と融和することで、平和な気持ちでいたい

診断方法はビッグファイブと同様に質問紙方式ですが、何問の質問が正式なものかについては、特に記述がありませんでした。ネットの診断を見ると上記の学会が90問の診断で、簡易版と記述しています。

歴史

再び、日本エニアグラム学会から引用すると、

エニアグラムの性格論は、1960年代に作られたもので、1970年代からアメリカで精神医学や心理学の研究者が注目し、研究を重ね、理論を発展させ続けているもので、新しい人間学、心理学として世界各国に広がっています。

と言うことらしいです。ちなみにこの学会の歴史も書いていましたの、ご参考までに紹介します。

日本では1989年に「日本エニアグラム学会」が設立され、エニアグラムを紹介してきました。エニアグラムの理論は研究者によって意見が異なる部分もありますが、学会では主に、ドン・リチャード・リソ氏とラス・ハドソン氏の理論に基づいて説明をしています。この他、初めて日本で教えた『エニアグラム入門』の著者パトリック・オリアリー氏の説明も取り入れています

科学的でない理由

理論提唱者は学者じゃない。

歴史で見た、エニアグラムの理論提唱者と見られるドン・リチャード・リソ氏とラスハドソン氏ですが、リチャード氏はスタンフォード大学で社会心理学の修士号を取得、ハドソン氏はコロンビア大学で東アジア研究の学士号を取得しています。

お分かりの通り、二人とも博士号はおろか、性格についての心理学(パーソナリティ心理学)に関する学位すら持っていません。

もちろん、学者じゃなければ、科学的ではないと言うわけではありませんが科学的と言うには、正確にデザインされた研究手法を用いて、科学論文を書く必要はあるのではないでしょうか。

ちなみに、この二人の名前をgoogle scholar で検索すると、二人の本については出てきますが、詳しい理論背景についての論文は発見できませんでした。

論文は通常、査読と言われるその妥当性を外部第三者の手で評価するプロセスがあるのですが、書籍の場合はありません。そのため、その情報の信頼性は大きく異なるのです。

科学的と言っている割には、企業名や大学名で権威づけをしている。

上記の記事でもそうなのですが、エニアグラムの信頼性を主張するときの根拠として、用いられるのは、CIAでも使われているとか、スタンフォード大学のMBAで採用された、みたいな権威づけです。

これは下の記事でも紹介した通り、エビデンスレベルとしては最低レベル専門家の意見に近いと考えられます。

要するに虎の威を借る狐状態ですね。知っての通り、スタンフォード大学は世界でも有数の大学ですし、CIAといえば、アメリカでもトップレベルの機密を扱う情報機関です。

このようなすごいところが採用しているから、エニアグラムもすごいのではないかという印象を抱きますが、何度も言うように、いくら権威があろうが、専門家の意見だろうが、そのようなものにエビデンスとしての力はありません。

つまり、非科学的です。

エニアグラムに関する研究はほとんど行われていない。

これが一番強い証拠になると思われます。科学とは一般的に再現性があり、実証が可能な多くの研究については、統計的な研究が多くあることと思います。例えば、メタアナリシスはその代表ですね。

次にお見せするのは、google scholarでエニアグラムを検索した時のスクリーンショットです。

f:id:LsM:20181214222424j:plain

結果は3850件です。

次は比較対象として、先日ご紹介した、ビッグファイブを同様に検索した結果です。

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その差は歴然ですね。ビッグファイブは理論的背景があり、また、研究も非常に多く行われています。

それに対し、エニアグラムは実証研究によって、その妥当性はほとんど検証されていません。

余談ですが、血液型占い(blade type personality)を同様に検索した結果は、24,300件でした。これだけ見れば、エニアグラムは血液型占いよりも研究がされていないことが分かります。

当たり前ですが、心理学者も無知ではありませんから、理論的妥当性があると思われる理論については、実証研究を行いその妥当性を検証するために研究を行います。

この論文数を見るとエニアグラムは研究者たちに見向きもされていないことがわかると思います。

つまり性格診断としては相手にされていないのです。

まとめ

  • エニアグラムは多くの企業や機関、大学で採用されている。
  • エニアグラムは科学的ではなく、研究もほとんどない。
  • 前回もお伝えした通り、ビッグファイブが性格診断としてはオススメ。
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