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【知能=IQ?】 科学的根拠に基づく頭の良さとは何か解説します。

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IQって頭の良さの代表みたいなイメージですよね。「あの人は頭が良い!」とか「彼は天才だ!」みたいなこと言う時って、= 彼はIQが高いと同じ意味で言ってそうですね。

実際のところ、知能とは何かは非常に難しい問題です。これまで、数々の学者がその定義について理論やモデルを構築し、これまた多くの学者がその妥当性について検証をしてきました。

最もコンセンサスが取られている知能理論はCHCと言うものです。これは現代のIQを測定するための心理検査の元になっている理論でもあります。

ただし、IQ=知能かと言うと、必ずしもそうではないと言うところは、本記事のサマリーです。

知能とは、その定義

例によって、知能を性格に定義するのは非常に困難です。一般的に知能といった場合にどのようなことを想像するでしょうか。

スタンバーグの研究*1

によれば、一般人(非専門家)が思う知能には次の三つが含まれていることでした。

  1. 実際的問題解決能力 →オープンマインドを持ったり、アイディア間の関係を識別したりする能力
  2. 言語能力 →流暢に話したり、勉強熱心な態度
  3. 社会的有能性 →失敗を認めたり、他人を受け入れたりする態度

一方、この研究の面白い点は、一般人とは別に専門家についても、知能とは何かについて聞いたところです。専門家は知能とは次の三点が含まれていると思っていました。

  1. 言語能力 →豊富な語彙や高い読解力
  2. 問題解決能力 →困難な問題を解決する能力や適切な判断をする能力
  3. 実際的知能 →どのように目標を達成するかを判断する能力や世界を見渡せる能力

言語能力と問題解決能力については同様ですが、違うのは一般人は社会的有能性を知性に含めているところです。社会的有能性は上記に例示していますが、社会的に望ましい力のことであり、良心・モラルを持っている人の事でした。

このように一般人と専門家に知能に関する認識には異なるところがありますが、おおそよ次のようなものは知能を構成すると考えられるのではないでしょうか*2

  • 学ぶ力 →知識を獲得・保持・使用する能力
  • 問題を識別する力 →学んだことを使うために問題を特定する能力
  • 問題を解決する力 →学んだことを使って重要な問題を解決する能力

 知能理論の歴史

スピアマンの2因子理論

知能の歴史はGの歴史といっても過言ありません。Gとは一般知能を表すものであり、全ての課題はこのGを通してはかられるとするものです。

スピアマンは長い研究の結果、様々なテストの結果に相関関係があることを発見しました。つまり、一つのテストが高い人はそのほかのテストも高い傾向があることを発見したのです。

これらの研究結果からスピアマンが因子分析を行なった結果、一般知能のGと特殊知能の二つに別れると結論づけたのです。

2因子理論とはつまり、人の知能はあらゆる課題に普遍的に影響を与える一般知能と個別の課題に影響を及ぼす特殊知能の2因子に大別されるとするものです。

これを出発点に様々な理論が生まれました。主要なものをご紹介します。

サーストンの基本能力因子

この理論では、知能は次の7つの因子から構成されます。

  1. 言語理解力
  2. 語の流暢さ
  3. 数能力
  4. 空間能力
  5. 連想記憶
  6. 知覚速度
  7. 機能的推理

サーストンはスピアマンの2因子理論を否定するためにこの理論を提唱しました。

しかし、その後の研究で、上記の因子間の相関関係が強いことがわかり、一般知能Gの存在を強める結果となりました。

スタンバーグの三頭理論

スタンバーグは、知能を、「人の生活に関連した現実環境に対する目的的適応、その選択及び形成に向けられた心的活動」と定義し、彼が「成功の知性」と呼ぶ、次の三つの要素が重要だと提唱しました。

  1. 分析的知能
  2. 創造的知能
  3. 実践的知能

彼の理論の特異性は創造的知能が含まれている点です。スタンバーグはそれ以前の知能理論によって高知能だとされる人に疑問を持っており、創造性についても知能に含まれてるべきだと考えました。

このモデルは、非常に包括的で社会的コンセンサスも取れやすそうなモデルなのですが、実証研究は今ひとつされておらず、その妥当性が確認されていません。

ガードナーのMI(多重知能理論)

ガードナーもスタンバーグのように知能検査は画一的なものだと考え、知能は次のように多様で多重なものであると主張しました。

  1. 言語的知能
  2. 論理ー数学的知能
  3. 音楽的知能
  4. 空間的知能
  5. 身体運動的知能
  6. 人間関係的知能
  7. 内省的知能
  8. 博学的知能

こうした能力の分類は非常にわかりやすいですよね。そのため、多重知能理論は、テレビなど、メディアの露出も多いです。また、下記を筆頭とした書籍も多く出版されています。

MI:個性を生かす多重知能の理論

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自分の強みを見つけよう~「8つの知能」で未来を切り開く~

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また、MIの「従来のIQに囚われない様々な才能を伸ばしましょう!」という考え方は、教育関係者や親御さんにも受けが良く、日本の教育学の分野注目されています。

だけど、実はこのMIには十分な根拠がありません。参考までに、google scholar でMI(multiple intelligences)について、検索すると8,470件しか出てきませんでした。

この記事でもご紹介しましたが、良い理論にはその理論を検証するために、多くの実証研究が繰り返えされます。ビッグファイブでは200万件以上の論文がヒットし、多くの研究が行われていました。

それと比較するといかにMIが研究されていないかがわかると思います。

こうした根拠なき理論がさも、 科学的ですという顔で主張されたり、ましてや教育現場で議論されていることには驚きを隠せませんね。

CHC理論

最後にスピアマンから始まった知能因子研究の最先端の理論をご紹介します。

CHC(キャテル–ホーン–キャロル)理論とは知能は三段構造をしており、最上位に一般知能Gを二段目に16の一般因子、三段目に各因子の多数の特殊因子を持つというものです。

以下は、それを図示したものです*3

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これを詳しく説明すると、それだけで一本記事が書けそうなので、またの機会にします。

重要なことは、最初にも述べましたが、最新の知能検査にはこの理論が使われており、知能理論としてコンセンサスを取りつつあるということです。

では、次にその心理検査ではこのCHCのどの部分を測定しているかについて解説します。

IQ(知能検査)で測れていること

IQを測定するために、今使われている主要な知能検査はウィクスラー式知能検査です。子供向けはWISCといい、大人用はWAISといいます。

参考記事:【あなたはIQについて本当に理解していますか? 】知能指数の意味を解説

以下は最新のWaisであるWais-ⅳの検査項目です*4

f:id:LsM:20181215235812j:plain

この検査項目とCHCの一般知能を対応させると次のようになります。

  1. 行列推理、積木模様、類似、算数→流動性知能GF
  2. 知識、単語、理解、知識→結晶性知能GC
  3. 絵の完成、積み木模様、行列推理、パズル、絵の抹消、バランス、→視空間能力GV
  4. 単語、数唱、語音整列→短期記憶GSM
  5. 符号、記号探し→決断/反応速度Gt

この通り、16ある一般項目のうち最新の知能検査でも5つしか測定できていません。

もちろん、一般項目の中には、運動感覚Gkや触覚能力Gh、臭覚能力Goのように、知能検査の性質に馴染まないものもあるので、厳密に全ての項目を図る必要はないかもしれません。

しかし、その一方で、読み書きの能力GfWや数学的知識を示すGq、テストの受験速度や推理速度を表すGs、意味のある記憶やアイデアの流暢性を示すGIrなどは測定すべきではないでしょうか。

特に長期記憶と検索能力GIrは創造性や学習能力を評価する尺度であるため、上記でスタンバーグやガードナーが主張していた、IQテストの画一性を軽減できるようと思われます。

結論とまとめ

IQとは知能そのものを表すものではないという結論から始まった本記事ですが、それはIQに意味がないと言っているわけではありません。

むしろ、IQを図るための知能検査が不完全であるため、現状で測定されているIQは本当の知能を測定できていないというのが本当のところです。

こうした検査項目の不十分性を埋める検査を開発することができれば、一般にIQと呼ばれるものがより、実社会において知能とみなされている力に近づくことができるのです。

*1:http://psycnet.apa.org/record/1982-05773-001

*2:https://www.verywellmind.com/theories-of-intelligence-2795035

*3:三好一英・服部環(2010)海外における知能研究とCHC理論.筑波大学心理学研究,40,1-7.

*4:https://www.nichibun.co.jp/kensa/detail/wais4.html

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